人は感情で判断する生き物だ、ということを知っていますか?
相手の感情を理解できなかったばかりに、相談事に対してトンチンカンなアドバイスをしたり、「あの人は話を聞いてくれない」と、自分では話を聞いているつもりでも「聞いてもらえていない」と周囲が感じる場合があります。
もちろん、感情的でない論理的なアドバイスを欲している場合もありますが、全てがそのようなアドバイスを求めているわけではないのです。
特に、何か悩んでいそうな友人から「少し話を聞いてほしい」と言われたときは。
相手の感情を理解するには、話を聞く際に意識しなければいけない点があります。
今回は「相手の感情を理解するために意識すること」について紹介していきます。
目次
感情を表す言葉に注目する
感情を表す言葉というのは「楽しい」や「好き」などの明るい上向きな言葉から、「辛い」「疲れた」「イライラした」などの、暗いネガティブな気分になるものまであります。
こういった「楽しい」「疲れた」などの表現は、直接的で分かりやすいのですが、私たちは話の内容に気を取られがちで、よく見落としてしまいます。
相手を注意深く観察し、感情が込められた言葉を拾うことができれば「そっか、疲れたんだね」と相手の気持ちに沿った共感を示すことができるようになります。さらには「良かった、理解してもらえた!」と安心感を与えることもできるようになるでしょう。
相手の感情を表す言葉に焦点を当て、「こう思っているのですね?」と表現することがポイントです。
話の全体的な内容に気を配る
感情を表す言葉が直接使われていなくても、話の流れや内容から察することもできます。
「あの客はきっと私をもてあそんだんでしょう。会社に3度も呼びつけられて、生産ラインを切り替えた方がいいと何時間も事細かに説明したんですが。結局、競合他社のものを採用して、今じゃ営業に行ったって会ってもくれません」
出典:人と“うまくやる”たった3つの心理テクニック ピープルスキル p63 第一章 3つのリスニングスキル
上の人物はおそらくやりきれなかったでしょう。唇をかんで悔しさや怒りを表現していたかもしれません。
「唇をかむ」「体を震わせる」などのボディランゲージがあれば、感情をさらに詳細に判断することができます。
ボディランゲージを観察する
ボディランゲージを観察するのも、相手の感情を理解するうえでは大切です。相手が怒りを感じていれば、顔は紅潮し、声は早口かつ大きくなります。ドアを大きな音を立てて閉めたり、こぶしを振り上げて威嚇してくるかもしれません。
話し手が言葉でうまく表現できなかったものも、ボディランゲージを観察すれば、聞き手は感情を理解できます。
察することにかけては、ボディランゲージを観察すること以上のことはありません。
「秘密を守り通せる人間はいない。口を堅く閉じれば、今度は指先がしゃべり出す。全身の毛穴から裏切りがにじみ出るのだ」
ジークムント・フロイト
相手側に立場になり「私だったら」と自問する
相手をどんなにうまく観察しても、本当にそのような感情を抱いているかはわかりません。「あなたは今こういう気持ちだろう」というのは、あくまで聞き手側の推測に過ぎません。
ですが、相手側の立場に立って「こういう気持ちだったのだろうか」という推測することは、相手に感情移入し共感を示す際に役立ちます。
推測時に感じたことを言葉で表現できれば、相手は「ええ、そうなんです」と同意したり、頷いたりするでしょう。
推測が外れていなければ、話はスムーズに進むはずです。
コメントを残す